【Part 2.5:ブラック部活って...なんじゃらほい】
こんにちは( ˘ω˘)
中々晴れませんね。そろそろ晴れた空の下で洗濯物を干したいころ合いです。
太陽が恋しくなってきました。
目次
- データを見てみた
- 【誰が作ってるんだ?】
- 【斜め読み 1. どんなアンケートなんだろ?】
- 【斜め読み 2. 何が対象なんだろう?】
- 【斜め読み3. どんなデザインなんだろ?】
- 【まず結論から!】
- 【サラリーマンの所感】
- 【分かった事!!】
- 【突っ込みどころパラダイス!!】
- 【サラリーマン的おまとめ:Good point】
- 【サラリーマン的おまとめ:Bad Point】
- 【サラリーマンの頭に浮かんだ、「立てるべき問い」】
- 【調査実施主体への提言】
データを見てみた
連続してブラック部活について記事を投稿してまいりましたが、この度ツイッタ―を通じて、
「中学校・高等学校生徒のスポーツ活動に関する調査報告書」なるものを共有頂きました。
この場を借りて、深く御礼申し上げます。
*神奈川県のHPから見れるようです。
今回、本当はPart 3としてさくっと書きあげてみようかと思ったのですが、どうせならデータをじっくりみて、ここから得られるものがないか考えてみよう!という結論に至りました。
量産型サラリーマンは、データを見て考えることが出来ないといけません。
これは疑り深いからではなく、「数字のマジック」が存在するからです。
データを作る/使う時、人はそのデータや数字を、自分の意見を裏付ける根拠として使います。有利な数字になるようコントロールする誘因は、常にあるのです。
意識している・していないにかかわらず。
だから疑ってしまうのです。
故に、データの背後を読めないと、叱られてしまうのです。「データとして表層化していない部分」に焦点を当てるぐらいがちょうど良いのです。
【誰が作ってるんだ?】
HPの右下に、神奈川県教育委員会とあります。
一応頭の隅には、
「第三者ではなく、主体の一部が行っている調査である。よって、バイアスのかかった見せ方になっている可能性はある」
ことを置いておきます。
例えば、「運動部活動の活性化」に取り組んできたようですが、今回の調査って、その取り組みの総括なワケです。
こんなことに取り組んできたけど、やっぱり効果あるよね!!ということを見せたい。ということは、「スポーツ好きが増えている」「部活は活発になっている」という方向に傾くであろうことは、読む前から容易に想像がつきます(想像はつくけどちゃんと読みますよ!!)
また、教育委員会のような立ち場では、過去の取り組みを分析して「失敗でした、だから今後こうします」という結果は出さないでしょう。
民間企業のように投資家に対する説明責任もないので、基本的に「俺達上手くやってきたぜ、その証拠にほら、この調査結果」という使い方をするのが普通です。
僕が調査担当者でも、その上司でも、きっとそうします。これは誰か個人が悪いのではなく、仕組みの問題です。
調査方法だけではなく、結果にもバイアスがかかる可能性が高いからこそ、こういった調査は第三者に頼むべきではないでしょうか。
従い、このデータを読む前につけておく「あたり(読む価値がありそうなところ)」は、
上記のような誘因があるなか、どれだけ「間違っていました、ここは問題です」と認めた記述があるか、となります。
これは時間節約術です。全部読んでたら、3時のおやつを食べ損ねてしまいます。
さて、早速PDFをポチっとな。
【斜め読み 1. どんなアンケートなんだろ?】
以下、実際の質問の文言を使っていますが、
「運動部の活動が楽しいですか。」
という聞き方と、
「運動部の活動はつまらいですか。」
という聞き方では、やはり違いが出ます。
前者の聞き方であれば、楽しい方に偏りが出るのです。また、「学校で行う」ことによる、環境の影響もあるでしょう。
例えば、自宅でスマホ/PCで回答、設問を「運動部の活動にどのような感想をもっていますか?」 とするのもありでしょう。
解決策は知らないのですが、アンケート調査って、実行も難しいし、解釈も難易度が高いと思います。
プロではなく、教育委員会が実施したアンケートであるならば、個人的にはその時点で信頼度が下がります。教育委員会が、データ収集の確立されたノウハウを持っているとは思えません。
今回の調査、数字を見たまま「そうなんだ!」って思ってくれる方には有効でしょうけどね。
序盤なのに天の邪鬼が過ぎました。サラリーマンは、すぐ疑ってしまうのです。
そういうものなのです。
【斜め読み 2. 何が対象なんだろう?】
他の都道府県でこういった調査がなされているのか?というところも、疑問として持っておきたいと思います。
少なくともこの調査結果は、神奈川県に限定されている、ということを胸に留めておきたいですね。
加えて、「ブラック部活」という言葉は部活動全般を対象としていますが(していますよね...?)、この調査は"スポーツ"に限定しているところにも注意が必要な気がします。
これは私の勝手なイメージなのですが、吹奏楽とかって、ハードな部活に成りうるのではないでしょうか。でも、”スポーツ”ではないですよね。
そもそも、ここでいうスポーツってなんですか?と、御担当者様には質問してみたい次第です。
運動、運動部活動、スポーツ、スポーツクラブ活動、っていう言葉の使い分けには何か意味があるんでしょうかね。
【斜め読み3. どんなデザインなんだろ?】
見せ方にも問題アリかな、と。例えば質問項目に対して、12種類の回答がある設問があります。それを全てグレーの濃淡で表そうとしているところは、会社だったら上司から怒りをかってしまいそうですね。Web上のPDFぐらい、カラーにしたら?
ただ、魅せるデザインについては僕も勉強中の身。ここから学びを得たいものです。
【まず結論から!】
サラリーマンはせっかちなので、すぐ「けつろんは?」とか言います。
プライベートだと、うっとうしいことこの上ないですね。そんなこと言ってたら友達いなくなっちゃいます。
でも結論から見ちゃいましょう。
”以上のことから、これからの運動部活動を考えるには、競技力の向上はもちろんであるが、人間的な成長が期待できる運動部活動の意義を再確認し、生徒の自主的な活動を尊重しながらも、大きな位置を占める顧問教員が日頃から研鑽すること、顧問教員が過大な負担を軽減するために外部指導者との連携を保ち、複数の顧問で協力して指導すること、学校間連携、地域連携を推進していくこと、生徒が安心して活動すること
ができる体制作りが重要であると示唆されている。”
中学校・高等学校生徒のスポーツ活動に関する調査報告書:P91
確認、尊重、研鑽、連携を保つ、指導、連携を推進、体制作り。。。???
大学生の感想文でしょうか。いやいや、ひょっとしたら御担当者様の熱い想いが、結論になっているだけかもしれませんね!!ポジティブポジティブ!!
でも、今回の調査の目的って、実態把握、これまでの取組み総括、県の施策策定のための基礎資料作成、じゃないの?取り組みの何が良くて、何が悪かったのか、分析しないのかな?
【サラリーマンの所感】
・部活動体制の実態を見るべく調査を行った
・データを公表している
・改善の余地があると記載している、
こういったことは本当に尊いと思いますし、公共団体として進歩しているのだと思います。それだけでも素晴らしい!!拍手を送りたい(ぱちぱち)!!が、
結論は空っぽ
ですね、冷静に見て。
私の指導社員がこんなレポート出してきたら、おしりペンペンの刑です。
調査しなくても書ける結論出しても、意味ないでしょう。必要性と許容性(経済学でいう制約条件)に言及せず、「次に行う事」を明記せずして、現実の何が変わるのでしょうか。結論が空っぽなので、上から順番に眺めることに。
【分かった事!!】
今後部活動問題について論ずる上で役に立ちそうなデータは、下記3つだけ。
1. 休みは割と皆欲しがってる。
=>活動日限定したらいいじゃん。
2. 部活を楽しいと感じている生徒は多そう。
=>先生と温度差ありそうだね。
3. 外部指導員は必要だと思うけど、その活用は進んでいない。
=>仕組み作らないと無理だよ!!
※ココから下は、ほとんど「なんでやねん?!」と思った部分を書きつづっているだけです。。。
【突っ込みどころパラダイス!!】
突っ込みどころ満載。フット後藤さん並のツッコミが頭を駆け巡りました。
「お前、よくこんな調査結果出せたな!陶芸家やったら割ってるヤツやで!!」
「運動部活動終了時刻設定状況」という質問
こんなの校長に聞いても、2択だったら、「定めている」としか答えない。
小学生に、「横断歩道を渡るときは、青になってから渡っていますか?」と同じレベルの設問。
知るべきなのは、定めた時間と実際の時間の乖離なのでは?
どうでもいいけど、教員の比率、50才以上が35%以上ってすごいな。
バイアスのかかった質問例
あなたは、運動部活動の「今後のあり方」に関する次の(1)~(11)の項目についてどう思いますか。という項目があったのですが、項目が9割は「どれを選んだらより活発になるか」です。これ誘導してないか?
バイアスのかかった結論
(図8-3は)運動に所属しない理由を示しているが、高校生の所属しない理由の中には、「自由に遊べる時間が欲しいから」、「やりたい内容の部やクラブがない」と答える生徒がいることから、これまでにない新しいタイプの運動部活動や、柔軟運営方法を採用した運動部活動を設置することで、所属していない生徒が入部する可能性を示している
国語やりなおせ。そんな可能性は示しておらん。
見るのとやるのは違うんだって!!
中学生に、「あなたは、スポーツをしたり見たりするのは好きですか」と聞いたら、
そりゃ好意的な反応は増えるでしょ。「やるのは嫌いだけど見るのは、まぁ嫌いじゃないな」、なんて回答いくらでも得られます。
どんな意義があると思いますか?
保護者に、「意義がある前提」で質問しても意味ないでしょ。回答項目が「意義がある事のブレークダウン」なんだから。
他にもいっぱいありますが、やつが迎えに来ました。
そう、肩こりです。
ここから一気におまとめ!!
【サラリーマン的おまとめ:Good point】
ブラック部活動の考察に使えるのは、ごく一部かなと。勉強になったのは、一部の「分かった事」と、運動や部活動の意義の部分。
これは、僕が作成した「部活のメリット」の項目として使えそうでした。
ところで、"スポーツマンシップ"っていう表現、フェミな方は気にならないのでしょうか。
スポーツパーソンシップとかが2020年のスタンダードになるんですかね。
【サラリーマン的おまとめ:Bad Point】
一言で言うと、「一方通行の調査」であり、結論ありきのレポートでした。
疑うべき前提が多すぎますね。
(教育界の常識が暗に含まれているなら、私の勉強不足です!!)
バイアスかかり過ぎて、あんまり有用な調査じゃない気がする。教育従事者から見たら、こういうのって受け入れやすいんですかね。。。
でも僕の価値は、あくまでも「サラリーマン視点!!」。どんどん突っ込みます。
【サラリーマンの頭に浮かんだ、「立てるべき問い」】
数値の変化に対して、「なぜそうなったのか」「だからなんなのか」は考えないの?
練習日数と時間、希望が書いてあるけど、これルールが守られている前提だよね?
学校が設定した運動部活動の設定時間は守られてて、且つ先生とは合意が取れてるんだよね?
今はルール守ってないけど、これから守るよ。でも部活は教えてね、っていったら誰も信じないからね。ルールを明確化してね。
あと、複数顧問制度の実施率100%ってあるけど、他のルール(労働時間とか)守りつつやってるんだよね?教員Aが、部活BとかCを掛け持ちしてたら意味ないからね。
「そもそも」なぜ複数顧問制度やってるんだい?これ、もしかして「全員顧問制度・全生徒部活加入」の温床になってない?
【調査実施主体への提言】
・第三者機関に任せましょう。
・何を調べたいのか?に、目的と仮説を持ちましょう。
・仮説に対して結果はどうだったのか述べましょう。
・アクションを述べましょう。
・参考文献等はないのでしょうか。
・名前を明記しましょう。「発行者 神奈川県教育委員会保健体育課」はずるいです。
誰が関わったのか、明記しましょうよ。そしたらフィードバックも得られるし、改善も進みます。
この結果を、次回のブログに是非活かして行きたいと思います。
神奈川の教育委員会に人に嫌われちゃいそうな内容になりました。
でも大丈夫。僕は神奈川好きです。
今日のおやつは何にしようか。。。(´・ω・`)